安部首相アメリカでの英語スピーチの発音評価(2015年4月29日連邦議会上下両院合同会議)

先日、安部首相がアメリカの連邦議会の上下両院合同会議にてスピーチをされました。

その様子がこちらです。

発音講師としての感想としましては、ちょっと残念に思えました。

彼はアメリカに2年の留学経験があり、英語の基礎力は比較的高いはずですが、

それでもスピーチとなると、どうしてこれほどまでも辿々しくなるのか。

 

【安部首相の留学経験(wikipediaより)】

1977年春に渡米し、カリフォルニア州ヘイワードの英語学校に通うが、日本人だらけで勉強に障害があると判断して通学を止め、その後イタリア系アメリカ人の家に下宿しながらロングビーチの語学学校に通った。秋に南カリフォルニア大学への入学許可が出され1978年に入学。政治学を専攻し春・夏・秋学期を履修した後、1979年に中退したとされる。

 

まず、彼の良い所は「声の質」です。

スピーチでは相当緊張されていた様子で、声が上ずっていましたが、

本来彼が持つ声の質はかなり上質なものです。

 

声帯が豊かに響き、倍音も程よく帯びている。

暖かくも自信にあふれる声の持ち主で、それをうまく使いこなせさえすれば、

人に安心感を与える素晴らしい声のポテンシャルを持っておられます。

 

しかし問題点として、フレーズの区切り方がとても不自然で内容が入ってきにくい。

この様に単語を一つ一つゆっくりと並べて話しているだけでは、文脈がうまく伝わりません。

パズルのピースを一つづつ見せられて、「さぁ、これは何の絵でしょう?」

とクイズを出されている感じです。

 

そしてストレス音が無かったり、また間違った場所に置いたりしていましたので、

その一つ一つの単語を聞き取るのも容易ではありません。

単語個々の発音も、息が上手に使えていないがために子音が埋もれ、

母音の発音もFront/Back/Central Vowelsの区別も付けられていない。

(「æ」「ά」「ə」の区別など)

 

これである程度フレーズ単位でイントネーションを付けて話されていたら、

この単語個々の発音も多少はカバーされるところですが、

単語を一語一句並べて話されていましたので、余計に聞き取りにくい印象でした。

 

これでもおそらくは事前にスピーチと発音トレーニングを受けたんだと思います。

しかし、あまりスピーチの内容ばかりにとらわれ、パフォーマンスを疎かにしているのが見て取れます。

我が国の代表としてのパフォーマンスとしては、とても残念です。

 

もし私の発音トレーニングを受けて頂けたら・・・と夢の様な事を考えてしまいました。

やはり発音の重要さはもっと見直されるべきです。

言葉の根底にあるとても重要な要素なのに、日本の英語教育ではかなり軽視されています。

その結果が、2年も留学経験があって、一国の総理大臣であって、

このクオリティーです。

 

 

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Dr.D

Dr.D

代表発音トレーナードクターDイングリッシュ

英語の「発声」と「リズム」を専門としたオンライン発音トレーナーで「英語の声になれる本(KADOKAWA出版)」の著者。「発声トレーニング」を使った独特の指導法で2011年の開業以来、1500名以上の受講者に対し直接指導を行っている。10回〜20回の指導で英語らしい発音に変える事が出来る。

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