【Last Christmas】英語が「鈍臭く」聞こえない!プロが教える音のつなぎ方の極意

Presenter

ドクターDイングリッシュ
発音ディレクター Dr. D

・英語を「声」から変える発音専門スクール
・1万人以上の発音を変えた実績
・元ボイトレ講師です

クリスマスの定番曲「Last Christmas」で鈍臭く聞こえない音のつなぎ方を教えます

街中でクリスマスの定番曲「Last Christmas (Wham!)」が流れる季節になりましたね。

この曲、サビ(Chorus)はとてもキャッチーで歌いやすいですが、ヴァース(Aメロ)に入った途端に「あれ? なんかリズムに乗れない…」と感じたことはありませんか?

今回は、**「英語の曲をもっとかっこよく歌いたい」という方はもちろん、「英語の発音をもっと流暢にしたい」**という英語学習者の方にも直結する内容です。

せっかくのクリスマスシーズン、名曲を使って楽しくレベルアップしましょう!


なぜ日本人の英語は「もっさり」聞こえるのか?

「英語のリズムが悪い」「なんか鈍臭く聞こえる…」

その原因の多くは、子音と母音のタイミングにあります。

まずは、よくある「鈍臭い音のつなぎ方」と「かっこいいつなぎ方」の違いを見てみましょう。

❌ 鈍臭く聞こえるパターン

Last Christmas, I gave you my heart

/ last kris mus, ai geiv yoo mai hart /

  • 特徴: 子音を拍(ビート)のタイミングで発音しようとする。
  • 結果: 子音に時間を取られ、肝心の母音(音の核)の入りが遅れる。 これが「もっさり」としたリズム遅れの原因です。

✅ 上手に聞こえるパターン

Last Christmas, I gave you my heart

/ last kris mus, ai geiv yoo mai hart /

  • 特徴: シラブル(音節)の頭にある子音を「前乗り」させる。
  • 結果: 母音の入りがビートに対して「ジャスト」になる。これでプロのような疾走感が生まれます。

課題曲:Last Christmas の歌詞をおさらい

練習に入る前に、今回のパートの歌詞と意味を確認しておきましょう。切ない失恋ソングですが、メロディは明るいのがこの曲の魅力です。

Last Christmas

I gave you my heart

(去年のクリスマスは、君に心を捧げたのに)

But the very next day

You gave it away

(その次の日に、君はそれを捨てた)

This year

To save me from tears

(今年こそは、傷つかない様に)

I’ll give it to someone special

(特別な人に捧げるよ)


Step 1:子音の「前乗り」感覚を掴む練習

これが今回の最重要ポイントです。

**「発音したいタイミングの直前に、口の形(子音)を作っておく」**という感覚を養います。

カウントに合わせて練習してみましょう。

  • ポイント: 数字のカウントの裏拍(エン)で子音を準備し、数字のタイミングで母音を弾くイメージです。
カウント発音準備(子音)発声(母音ジャスト)
1, 2, 3, 4(Lの口)Las
1, 2, 3, 4(Kの口)kris
1, 2, 3, 4(Mの口)mus
1, 2, 3, 4(喉を開く)ai
1, 2, 3, 4(Gの口)geiv
1, 2, 3, 4(Yの口)yoo
1, 2, 3, 4(Mの口)mai
1, 2, 3, 4(Hの息)hart

Step 2:音を滑らかにつなぐ「リンキング&ミュート」

次はフレーズとしてつなげていきます。

ここでのコツは2つ。

  1. 頭の子音は前乗りさせる(Step 1の応用)
  2. 語尾の子音はミュート(飲み込む)させる、または次の音とつなげる

以下のカタカナ発音記号を参考に、音を溶け込ませてみましょう。

前半パート

Last Christmas

/ la~s(t) kri~s muh~s /

  • Lastt は発音せず飲み込む(ミュート)。

I gave you my heart

/ ai geiv-yoo mai har~t /

  • gave you はつなげて geiv-yoo に。
  • heartt は寸止め。

後半パート(難所!)

But the very next day

/ buh tha ve ri ne~ks de~y /

  • Butt は消える。
  • nextt も消えて ne~ks になるのがポイント。

You gave it away

/ yu gei vi da we~i /

  • ここが一番の「英語っぽさ」の見せ所!
  • gave it away が全部つながって gei-vi-da-we-i(ゲイビダウェイ)のように聞こえます。

This year

/ thi~s yeer~ /

  • sy を滑らかに。

To save me from tears

/ tu sei(v) mi frm teer~s /

  • savev は下唇を軽く噛むだけ。

I’ll give it to someone special

/ ao gi vi tu suh~m wuh~n spe~ shol /

  • I'll は「アィル」より「アオ」に近い音。
  • give it togi-vi-tu とつなげる。

Step 3:アクセントで「グルーヴ」を作る

最後に、単語一つ一つを区切るのではなく、「アクセント」を基点に一息で歌う意識を持ちましょう。

息継ぎ(ブレス)をした後、アクセントに向かって息を吐き出すイメージです。

  • Last Christmas
  • I gave you my heart
  • But the very next day
  • You gave it away
  • This year
  • To save me from tears
  • I’ll give it to someone special

まとめ

いかがでしたか?

「Last Christmas」はゆっくりとした曲調だからこそ、この**「子音の前乗り」と「音のつながり」**がしっかりできていないと、リズムが遅れて聞こえてしまいます。

  1. 子音はビートの前に準備する
  2. 母音をビートの真ん中に置く
  3. 不要な子音はミュートしてつなぐ

この3つを意識するだけで、あなたの歌声(そして英会話の発音)は劇的に洗練されます。

ぜひ今年のクリスマスは、一味違った発音で「Last Christmas」を口ずさんでみてくださいね!

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About Dr.D 660 Articles
ドクターDイングリッシュの創立者。元プロミュージシャンで英語ボイトレ講師を経て2011年に発音スクール設立。YouTuber歴10年以上。日本の英語教育に発音を普及させるミッションを掲げ邁進中。淡路島で外国人専用Fishing Charterのオーナー船長も務める。

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