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英語シャドーイングで効果が出ない?発音の基礎「母音の区別」を徹底解説
はじめに
Hi. I’m Dr. D. Welcome back to another episode of Dr. D English.
ここ10年ほどで「シャドーイング」は英語学習の定番となり、多くの人が取り組む練習法になりました。
しかし、実際にやってみてこう感じることはありませんか?
- 「音声を真似しようにも、発音がわからなくてついていけない」
- 「何回聞いても、やっぱり聞き取れない」
- 「時間をかけているのに、リスニング力が上がらない」
私が多くの学習者を見てきて感じるのは、**「ただ闇雲に音声を追っているだけで、実際の発音とはかけ離れた『でたらめな発音』で取り組んでいる人が非常に多い」**ということです。
はっきり言います。発音がわかっていない状態でシャドーイングをしても、その時間はほとんど無駄になってしまいます。
そこで今回は、シャドーイングの効果を最大限高めるために**最低限知っておきたい「母音の区別」**と、正しいシャドーイングへのステップを徹底解説します。
なぜシャドーイングに「発音」が必要なのか?
シャドーイングとは、英語を聞きながら、影(Shadow)のように少し遅れて声を出す練習法です。元々は通訳者の訓練法であるため、本来は難易度が非常に高いトレーニングです。
一般的には「耳を慣らす」ために行われがちですが、シャドーイングの真の効果は**「発音を再現できてこそ」**発揮されます。
発音を理解し、自分で再現できるようになることで、以下の3つが同時に鍛えられます。
- リスニング力(音が聞き分けられる)
- ボキャブラリー(音が定着する)
- スピーキング力(通じる音になる)
シャドーイングの効果を高める3つの秘訣
効果的なシャドーイングを行うためには、以下の3つの要素を「体で理解している」必要があります。
- 発音の種類を把握する(特に母音の区別)
- 発音リズムを理解する(ストレスと抑揚)
- リンキングを把握する(音の繋がりと変化)
今回は、日本人が最も苦手とし、かつリスニングへの影響が大きい**「① 母音の区別」**にフォーカスしてトレーニングを行います。
日本語にはない「母音の区別」ワーク
英語には、日本語の「ア」にはない母音の区別がたくさんあります。
多くの人が app, calm, up, start などを全て同じ「ア」で処理していますが、これが「聞こえない・通じない」最大の原因です。
ここからは、絶対に区別しておきたい母音をセットで練習していきましょう。
1. Open Vowels (æ, ɑ, ʌ)
日本語なら全て「あ」になってしまう3つの音です。
| 記号 | 主なスペル | 音の特徴 | 発音のコツ | 代表単語 |
| /æ/ | a | エッジの効いた潰れた音 | 喉を絞って「え〜」のニュアンスを加える | app, sad |
| /ɑ/ | o, au/aw | 最も開いた音 | 喉を大きく開いて奥から「あ〜」 | hot, dog |
| /ʌ/ | u | 脱力した曖昧音 | ニュートラルな状態で声を漏らす | up, cut |
【エクササイズ】
音の違いを意識して発音してみましょう。
- hat, hot, hut
- hut, hat, hot
- hot, hut, hat
The hat is hanging on the wall in the hut.
- sad, saw, sup
- sup, sad, saw
- saw, sup, sad
I saw the man standing on a sup.
2. R-Vowels (ɑr, ɔr, ɜr)
日本人が苦手な「R」が絡む母音です。
| 記号 | 主なスペル | 音の特徴 | 発音のコツ | 代表単語 |
| /ɑr/ | ar | ah の後に r | ahと言った後、舌を奥に引いて唸る | heart, start |
| /ɔr/ | or | o の後に r | oと言った後、舌を奥に引いて唸る | port, corn |
| /ɜr/ | er, ir, ur | r をただ伸ばした音 | 最初から舌を奥に引いて唸る | turn, bird |
【エクササイズ】
- heart, horn, hurt
- hurt, heart, horn
- horn, hurt, heart
My heart has been torn by her.
- card, core, curse
- curse, card, core
- core, curse, card
The card has been cursed from the core.
シャドーイング「3つの禁止事項」
発音の基礎を確認したところで、いよいよ実践ですが、その前に**「やってはいけないこと」**を3つ忠告しておきます。
- 意味を把握せずに行うこと理解できないものを習得するのは不可能です。必ず「読んで理解できる」レベルの教材を選んでください。
- 発音を把握せずに行うこと自己流のテキトーな発音で繰り返すと、悪い癖が定着します。ネイティブ並みでなくても「英語らしいリズム・母音・繋がり」は意識してください。
- 流しっぱなしで行うこと長い音声を流しっぱなしでシャドーイングできるのは、既にネイティブレベルの人だけです。
【正しい手順】
いきなりシャドーイングせず、まずは音声を止めて真似る**「コピーイング」**から始め、スムーズに言えるようになってからシャドーイングに移行してください。
実践トレーニング:GRIT
それでは、実際の英語音声を使って練習してみましょう。
題材は、Angela Lee Duckworth氏のTED Talk『GRIT』です。
STEP 1: Slash Reading(意味の把握)
英語を英語の語順のまま理解します。
- What struck me(衝撃を受けたのは)
- was that IQ was not the only difference(IQの違いだけではないということでした)
- between my best and my worst students.(成績の最も良い学生と悪い学生の差は)
- Some of my strongest performers(最も成績の良い学生たちが)
- did not have stratospheric IQ scores.(異常にIQが高いわけでもなく)
- Some of my smartest kids(頭が良い学生でも)
- weren’t doing so well.(成績はよくない子もいました)
STEP 2: Copying(発音の確認)
短い塊ごとに区切って発音練習を行います。以下の発音記号を参考に、滑らかに繋げることを意識してください。
What struck me
/wut struk mee/
was that IQ was not the only difference
/wuz that ai kyoo wuz naht thee oun lee di fer runs/
between my best and my worst students.
/bit ween mai bes(t) and mai werst stoo dents/
Some of my strongest performers
/sum-uf-mai strahn ges(t) per for mers/
did not have stratospheric IQ scores.
/did nah(t) hav stra tus fe rik ai kyoo skorz/
Some of my smartest kids
/sum-u(v) mai smar tes(t) kidz/
weren’t doing so well.
/wern(t) doo ing sou wel/
STEP 3: Shadowing
意味と発音が把握できたら、最後に音声を流してシャドーイングを行います。
- スクリプトを見ながら
- スクリプトを見ずに
この2段階で、何度も繰り返し練習してみてください。
おわりに
実際にやってみていかがでしたか?
「発音がわからないと、そもそも聞き取れないし、ついていけない」ということが体感できたのではないでしょうか。
言語習得とは、つまり**「発音を習得すること」**です。
もし独学での練習に限界を感じたり、自分の発音が合っているかわからないという方は、ぜひ発音専門のトレーナーが指導する「発音コース」を体験してみてください。
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それではまたお会いしましょう! See you next time!
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