個人でスクール事業を始める、またフリーランスで講師業を始める時に必要な手続き

マスター発音トレーナーのDr.Dです。今回はこれから個人でスクール事業を始めたい、もしくはフリーランスで講師業を始めたいと思っていらっしゃる方に必要な手続きをまとめてみようと思います。

ちなみに私の経営する発音専門オンラインスクール、ドクターDイングリッシュですが、お陰様で今年で7年目となりました。

2011年1月に「ドクターDイングリッシュ」という屋号で税務署に登録し事業を正式に開始し、2014年11月に「ドクターD株式会社」という会社名で法人化しました。

まず屋号(店名)を決める

個人で事業を始める場合でも「屋号」と呼ばれる店名を登録することが出来ます。

例えば個人の塾だと「山田塾」や「山田英語学院」などの典型的なものから「イングリッシュアカデミー」などスクールっぽいネーミングまで好きに決めることが出来ます。

個人で出張型のコーチやコンサルタントのようなスタイルの場合でも、この先従業員を雇う場合や店舗を持つ場合を考えて屋号は始めからつけておいたほうが良いかも知れません。

「個人事業の開業届」と「所得税の青色申告承認申請書」を提出

「個人事業の開業届出書」と「所得税の青色進行承認申請書」いうものに記載し税務署へ提出します。ここに決めた屋号も記入します。印鑑だけ持って直接税務署に出向いて用紙をもらって書いても構いません。

さらに市役所・区役所と県税事務所にも開業届を提出しなくてはなら無い場合もありますので、それは税務署に提出する際にでも聞いてみましょう。

屋号入りの銀行口座を作る

個人事業でも屋号入りの銀行口座を作ることが出来ます。たとえば私の場合は始めは楽天銀行で「ドクターDイングリッシュ トンダ ダイキ」という名義で口座を作りました。一般的に銀行で作ると「屋号+個人名」の形式になりますが、ゆうちょは屋号のみで作れます。

三菱でもみずほでも住所が近ければどこでもこのタイプの口座は作ることが出来ますが、都市銀行の場合は所得税の申告書が必要なので2年目以降になります。

楽天銀行などのネット銀行だと開業届の提出だけなので一番簡単だと思います。「個人事業 銀行口座」で検索してみてください。

ビジネス用クレジットカードを作る

ビジネス用のクレジットカードを持っておくと帳簿を付ける時にものすごく楽です。クレジットカードは毎月使った分の明細が出るので、後でまとめて帳簿を付ける時に大助かりです。

これはビジネス口座を引き落とし口座に設定できるビジネス用のクレジットカードです。最近では開業直後でも申し込めるものも増えています。「個人事業 クレカ」で検索してみてください。

帳簿をつける

「所得税の青色申告承認申請書」を提出したので「青色申告」の様式で帳簿をつけなくてはなりません。しかし今の帳簿は入ったお金と出て行ったお金を付けるだけなので簡単です。小遣い帳をつけるのと同じです。ちなみに私は「freee」というクラウド会計ソフトを利用しています。

なるべく現金でのお金のやり取りはやめて、銀行決済かクレジット決済にしておくとわざわざレシートをためておかなくても大丈夫なので楽です。

基本的に銀行決済とクレジットカード決済のものはその明細が領収書代わりとなるので、紙の領収書は不要です。

3月に確定申告をして所得税を払う

前年度分の収支を書き込みそれを3月15日までに税務署に提出しなくてはなりません。これは年が明けたくらいに管轄の税務署から案内と用紙が送られてきます。

これもクラウド会計ソフトなどを利用しているとものすごく簡単で、そのまま申告書、決算書を出力してプリントアウトし、印鑑を押して税務署に郵送するだけです。

この所得税の支払いを少なくするために個人事業主は領収書をかき集めて何かと全て経費にして所得を低くしようと奮闘するわけです。

あとは、申告書に記載されている額の所得税を同封の払込用紙を使って銀行などで納付します。これも現金ではなく口座振替かクレジットカード決済にすると後が楽です。

「所得税 クレジットカード」で検索してみてください。

この情報をもとにその年の国民健康保険料、住民税、個人事業税が決定されて5月頃に支払い用紙が届きます。

実は役所に出向く必要は無い

よく確定申告の時期になると税務署には長蛇の列が出来るようですが、実は様々な手続きのほとんどは実際に役所に出向く必要はなく全て郵送でかたが付いてしまいます。

提出書類を全て2部プリントアウトし、それぞれに「提出用」「控用」と枠外に書いて返信用の封筒と一緒に送る。そうすると受理印を押された控用書類が戻ってきます。これだけで全て済んでしまいます。

これらの受理印付きの控え書類は使うことがあるのでファイリングして取っておきましょう。

個人事業主になること自体は超簡単、しかし・・・

個人事業主(フリーランス)に必要な手続きは上記のもので全てです。慣れればほとんど時間も要しませんし、申告なども法人と比べるとめちゃくちゃシンプルです。口座やクレジットカードを作る時も法人と比べると審査も簡単。

しかし所得税の支払いを少しでも抑えようと何でも経費にしてしまい所得を少なく調整してしまいがちなので、そうなると社会的に信用はありません。

実際は年間1000万の所得があっても申告上は年間所得200万なんてざらです。そうなると普通の会社員、もしくはアルバイト以下の信用となり、ローンの審査はなかなか厳しいものになります。

ちなみにこれは法人の役員(経営者)にも同じことが言え、実際に同じ会社でも経営者よりそこで雇われている従業員の方が社会的信用があります。

その理由は労働者は労働法で守られているが経営者側は守られていないから。そして個人事業主も労働法の保護対象外です。

当然といえば当然ですが、わかりやすい例が、個人であれ法人であれ「経営者に最低賃金は無い」ということです。しかし同時に「最高賃金」もありません。

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About Dr.D 605 Articles
ドクターDイングリッシュの創立者。元プロミュージシャンで英語ボイトレ講師を経て2011年に発音スクール設立。YouTuber歴10年以上。日本の英語教育に発音を普及させるミッションを掲げ邁進中。淡路島で外国人専用Fishing Charterのオーナー船長も務める。

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