英語はフレーズ単位で発音されると、日本語では起こらない様々な音のつながり方があります。この音のつながり方のパターンを理解すると英語が聴きやすくなります。
目次
リエゾン(Liaison)とは
リエゾンはもともとフランス語の単語同士の連結において使われる用語で、例えば、vous avezという時に、単語単位の発音であればvousは「ヴ」と発音しますが、次に母音始まりのavezが来ると「ヴザヴェ」と発音され、vousのsが発音に現れるようなことを指します。
フランス語のアンシェヌマンとは
リエゾンに対して、フランス語にはアンシェヌマンというものがあります。アンシェヌマンは、Il aのようにもともと単語単位の発音でもIlは「イル」とlも発音しますが、次に母音がくるとIl a が「イル ア」ではなく「イラ」と次の母音と繋がって音が発音されることを指します。
リエゾンのように完全に発音されていなかった単語の語尾の音が次の単語の母音と組み合わさって音が出てくるのと違い、アンシェヌマンはもともと発音されている単語の語尾の音が次の単語の母音によって変化するものです。
英語のリンキングとは
どちらかというと英語発音の学習で使用しているリエゾンという言葉はフランス語ではアンシェヌマンの意味になり、フランス語本来のリエゾンとは少し違うので、そこを区別するためにリンキングという言葉ができたのではないかと思います。
英語のリンキングの発生条件
英語を単語単位ではなく文章単位で発音していくと、ブレスフローの中で単語が連結され、前の単語の末尾が次の単語の頭の母音と連結されて語尾の音が変化してきます。
それがリンキングの起こる過程であり、こうして、単語どうしをリエゾンさせていくと、シラブルの頭がほぼ子音になっていき、そのシラブルの頭の子音を揃えていくことによってきれいな流れが生まれ、チャンクとしても聞き取りやすくなります。
リンキングは必ずしも必需ではない
“I’ll take it” ならば 通常“ tei-kit”とリエゾンされますが、“I’ll take it, not that.” などのように、itを強調したいような場合には必ずしもリエゾンをする必要はなく、“teik-It” とリエゾンせず、it強調して発音する場合もあります。
Flap-T – Stop T といったT音の変化はなぜ起こる
Flap-Tは、母音にtが挟まれた時、tの音で発音すると音につまりが生じるため、tの音を同じ舌のポジションをとるdもしくはl化して発音の流れを滑らかにしています。
また、Stop-Tは単語末尾のtや次に子音が続く時に、舌はtのポジションに触れるけれども、その舌を弾いて音を出さない時のtのことで、舌が上顎にふれることでtのニュアンスを出すものです。
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