目次
Presenter
斎藤あやこ|シニアトレーナー
ドクターDイングリッシュ
海外在住歴通算13年(イギリス・コンゴ・アメリカ・オーストラリア)英検1級保持。英語のボーカルトレーナーとして長年の指導経験を持ち、英語の発声法に深く精通する人気の発音トレーナー。
英語声・発声のセルフチェック
目ではチェックできない、耳に自信がなく判らない時、どうする?
ドクターDのチャンネルをご覧の皆さんや英語発音に関心の高い皆さんはよくご存じかと思いま すが、安定感のある英語発音には、ワンフレーズをひと息で発声することやボトムエリアでの響 きが欠かせません。
今回のビデオでは、「自分の発声、これでいいのかなぁ」と迷った時、自分でチェックできる方法を 紹介したいと思います。その前に、声の響きの位置を再確認します。
声が響く位置のちがい 日本語 VS 英語
今日の例文:
“English takes a lot of breath to speak and pronounce naturally.”
“英語の自然な会話や発音には大量の息が必要”
ふだん喋っている日本語の響きは英語と比べて高い位置にあり、喉の開きが狭く緩みも少ないので、日本語の発声で発音するとこんな感じになります。
日本語の響く位置は英語より高い
English takes a lot of breath to speak and pronounce naturally.
イングリッシュ テイクス ア ロットブ ブレス
トゥー スピーク アンド プロナウンス ナチュラリー
どうでしょうか。 英語と比べて息の量が約5分の1と少ない日本語発声のままでは、英語の響きは浅くなります。また、子音に絡む息の量が足りず、英語の子音らしい輪郭が聞こえづらかったり、英語のワードを日本語的なシラブル発音で捉えるために、一つひとつ発音してしまいや すいですね。
日本語の発声は・・・
・喉の開きが狭く、緩みも少ない
・呼吸量が少なくても話せる
この発声のまま英語を話すと・・・
・子音の輪郭は聞こえづらい
・カタカナ英語(息が途切れる)
英語声の響きはというと、響く位置が喉のこの辺り。 喉は開いて緩んだ状態で発声、発音されます。
英語の発声は・・・
・呼吸と息の流れが深い(気道も自ずと広い)
・リンキングや子音の輪郭が自然に発生しやすい
・声が共鳴する(声量も自然にUP)
わたしたちが無意識に日本語を話しているように、ネイティブスピーカーも 無意識に英語を話している訳ですから、基本的な呼吸量がそもそも違う訳で すね。慣れないうちは、意識的に息をしっかり吸ってから発声・発音するよう にしてみてください。
英語発声に慣れるまでは・・・
・意識的にしっかり呼吸して発声・発音
・息がうまく吸えないと思ったら、息を吐ききって自然な呼吸を促す
息を吸って・・・・
English takes a lot of breath to speak and pronounce naturally.
もう一度・・・・
English takes a lot of breath to speak and pronounce naturally.
英語声の響く位置は日本語より低い ・喉の付け根あたり、共鳴する面積が広い
English takes a lot of breath to speak and pronounce naturally.
どうでしょうか。
気道が広い分、十分な息の量と息の流れで、響きが太くなり、ワードどうしが自然につながって、英語らしい子音の輪郭が発音しやすくなり ます。ゆったり発音するので、響く位置がおのずと喉から鎖骨周辺まで下がり、 響く面積も広がるので、喉だけに頼って大きい声を出さなくても自然に声量が増えます。
さて、ここから本題です。 どうすれば、自分で、ボトムの響き、英語らしい発声やブレスフローのチェックができるか、そのシ ンプルな方法をシェアしたいと思います。
英語声の発声のセルフチェック
英語声発声&ブレスフローを自分でチェックする方法
喉の中の動きは自分の目で確かめられないし、見聞きした知識を得ても体感や感覚に頼る部分 が大きいので、発音できてるのか迷いますね。なので、手で触れて確認します。
喉の振動をチェック
ステップ1: 鎖骨のあいだのくぼみを確認(のどの付け根)
ステップ2: くぼみから上の部分を指2〜3本で軽く触れる
押さえつけないようにします。
ステップ3: そのまま、例文を発声、発音
English takes a lot of breath to speak and pronounce naturally.
どうでしょうか。 英語声で発声できていれば、指に伝わる振動から、
セルフチェック
1) 息吐きっぱなしの発声・発音
2) フレーズやワードが息の流れに乗る 3) リンキングの滑らかさ
を確認することができます。
ためしに、カタカナ英語で発音してみます
(English takes a lot of breath to speak and pronounce naturally.) どうでしょうか。
声の響く位置が高く、呼吸が浅いため、振動がほとんど感じられなかったのでは ないかと思います。
また、低い声を出す時に、声帯が下がりすぎると、かえって喉が詰まって気道が狭まって、苦しそ うな声になったり喉を痛める原因になったりします。こんな感じです(NGデモ、English takes a lot of breath to speak and pronounce naturally. )こうなったら、脱力・あくびしてリセットしましょう。
低音でも声が響かなくては言葉が聞き取りづらくなります。なので、十分呼吸して、ため息の連続 のような感じで、発声、発音してみましょう(English takes a lot of breath to speak and pronounce naturally.)
TED talkで練習
TED talk のスピーチの短い抜粋を使って、練習してみたいと思います。 Apollo Robbins のスピーチ The art of misdirection 冒頭のフレーズです。
(TED talk ビデオ) 指で喉の振動を確認しながら、練習してみましょう。
Do you think it’s possible to control someone’s attention? Even more than that, what about predicting human behavior?
どうですか、びりびり〜っと指に振動を感じますか? 足りないなと感じたら、しっかり息を吸って、ワンフレーズ息吐きっぱなしで トライしてみてください。
シュワ発音のチェック
おまけになりますが、この方法でシュワ発音のチェックもできます。
think, it’s, even, predicting, の母音は /i/ ではなく、よく /ə/ シュワ発音される母音です(/i/ 、 /ə/ デモ)。響きが浅くなってあがってきやすいのが /i/ の母音です。シュワ発音ができていると、喉は振動し つづけ、ボトムエリアでの響きがキープされて、響きの上がり下がりといったムラを抑えることができま す。
Do you think it’s possible to control someone’s attention? Even more than that, what about predicting human behavior?
以上、英語声の響きとブレスフローを自分でチェックする方法のシェアでした。 発声・発音で迷った時は、試して下さい。
English takes a lot of breath to speak and pronounce naturally. (So make sure you relax, take a deep breath, and yawn lots!)
動画を最後までご覧下さりありがとうございました。
Thank you for watching this video. Bye now
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