アメリカ発音で”-lity”が「レリー」に聞こえるのはなぜ?発音トレーナーDr.Dが舌の動きを解説

動画への質問

先日の動画のコメント欄に以下のような質問がありました。

個人的に発音が難しい箇所がある
アドバイスください

難しいのは”-lity”の箇所
“responsibility”, “nationality”など

アメリカ英語では「リリー」や「レリー」に聞こえる
ブリティッシュでははっきりと「リティー」と聞こえる

アメリカ英語的には実際にどのように舌が動いているのか?

今回の動画ではこの質問にお答えする形でお話しています。

最後が「lity」になる単語

“responsibility”, “nationality”など、最後が「lity」になる単語は、スペルがLで終わる形容詞の名詞化です。

Able-Ability
Real-Reality
Mental-Mentality
National-Nationality
Responsible-Responsibility

まずは「lity」の部分だけを切り取って音の解説します。

丁寧な発音とルーズな発音

正統派のていねいな発音から聞いて下さい(音声は動画参照)

Lity /li-tee/

単語で発音すると
Ability

フレーズで発音すると
Believe in your ability

そして今度はアメリカ発音っぽくルーズな感じで発音した場合
Lity /li-tee/

単語で発音すると
Ability

フレーズで発音すると
Believe in your ability

カッチリしたイギリス発音とルーズなアメリカ発音

質問によると、ブリティッシュでははっきりと「リティー」と聞こえるとありました。

ブリティシュの発音はあまり詳しくはありませんが、アメリカ発音に比べて子音が立っている印象です。
Believe in your ability(音声は動画参照)

また、アメリカ英語では「リリー」や「レリー」に聞こえる。

アメリカ発音は少し横着した感じでルーズな発音です。
Believe in your ability(音声は動画参照)
この辺はまぁ国民性が出ているんじゃないかと思うところです。

今回の質問の焦点は「舌の動き」ということなので、普段私があまり説明しない「舌の動き」について解説してみます。

「-lity」部分の舌の動き

横着でルーズなアメリカ発音で「lity」の部分だけを切り取るとこんな感じです。
/li-dee/

確かにカタカナで表すと「リリー」に聞こえるが、1つ目の「リ」と2つ目の「リ」は舌の当たっている位置が異なります。

アメリカ発音はどんなに音が崩れても、意外と舌の動きは子音の位置に忠実です。ただ滑らかにつなげるために、音をルーズに濁らせているという感じ。

1つ目の「リ」は舌先が前歯の裏に当たる(母音は少しボカせる)
2つ目の「リ」は舌の腹がハードパレットに当たる
この2つ目のT音をFlap Tと言います
舌をフラップさせる動きからそう呼ばれる

最後に発音エクササイズ

このFlap Tの動きでこれらの単語を発音してみましょう

Ability
Believe in your ability
「自らの可能性を信じよ」

Reality
Let’s face reality
「現実を見よ」

Mentality
Strong mentality is needed
「強いメンタルが要る」

Nationality
What is your nationality?
「あなたの国籍は?」

Responsibility
It’s about rights and responsibilities.
「権利には責任が伴う」

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About Dr.D 605 Articles
ドクターDイングリッシュの創立者。元プロミュージシャンで英語ボイトレ講師を経て2011年に発音スクール設立。YouTuber歴10年以上。日本の英語教育に発音を普及させるミッションを掲げ邁進中。淡路島で外国人専用Fishing Charterのオーナー船長も務める。

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