この動画を見て、彼女の英語のどこに問題があるのか不思議に思われる方も少なくないと思います。
彼女の英語はとても英語らしくリラックスして発音されているので、何となく「上手だな〜」って思ってしまいます。
しかしながらやっぱり審査員に言われているように荒いです。
オーディションシーンのセリフ
ちなみに彼女が冒頭のオーディションで話したセリフはおそらくこんな感じ。
単語が抜けていたり発音が不明確だったりするので、たぶんこういう事を言っているのかなぁという推測ですが。
He held a knife against me.
I was so scared.
I couldn’t say anything to anyone.
And I was always crying alone.
彼女の英語を聞いた後にネイティブが話す英語を聞くとなんだか安心して聞けます。確かに彼女の発音は荒い。
水原希子さんの発音の問題点
英語らしい力の抜けた発声は出来ているので、一見とても上手に聞こえます。しかし、やはり日本人特有の母音中心の発音なので、子音の絡みが曖昧で輪郭がはっきりしない発音です。
こういった発音はネイティブには少し聞きにくいと思います。
審査員のコメント
Let me be honest with you. You English ability doesn’t cut it.
If you wanna make it as an actress in this town, improve your English.
「あなたの英語は荒い。正直言って君の英語力では通用しない。この街で女優としてやっていきたければ英語力を鍛えなさい。」と、この様に審査員に言われています。
確かに芝居をするのなら、多少のアクセントの強さは外国人俳優としては許されるかも知れませんが、それでももう少しクッキリとポイントを押さえた発音でなければならないと思います。
英会話レッスンでの発音指導のシーン
このフレーズを練習しています。そこでひたすら指摘を受けているのは”TH”の発音。何の説明もないのでただ”TH”の発音がおかしいんだと思ってしまいます。
しかし”TH”の発音自体はそんなに問題ではありません。ただストレスがちゃんと置けていないところがポイントです。
発音指導のポイント
“Either this Saturday or next Sunday.”のthisは意味的にもかなり強いので、しっかりとストレスを置きたい所。なのでストレス子音となる“TH”をかなり引きずるように発音すると、それだけストレスがしっかり際立つわけです。
ネイティブの先生は一生懸命“TH”の発音を長く取るように指導していますが、彼女はどうしてもTHと同時に母音の”i”がくっついて来てしまっています。
彼女は先生が言っているポイントを掴みきれておらず、ただ強く発音しようとしているみたいです。ちゃんとその説明が彼女に伝わればすぐに出来るようになるのになと思います。
このストレス子音をしっかり溜めた後に母音を乗せるという感覚を掴むトレーニングは、英語声プログラムの発声編でも随所に出てきます。
ネイティブの発音指導の問題点
英語と日本語の発音の捉え方は何から何まで違うので、ただ「この様に真似して発音して!」と言ったところで、全く違った風に捉えてしまいます。
この発音指導に関しても、”TH”を長く引きずるように発音するように促していますが、彼女の方はただ”TH”の部分を強く発音する事として捉えてしまっています。
その結果“THEE”という風に、母音が強くなる一方でなかなか改善されません。
しかし英語の発音のメカニズム、「子音と母音は分けて発音される」、「ストレス音は子音をしっかり溜めた後に母音をふわっと乗せる」、といった事を理解した上で練習すると、もっと楽に成長することが出来るでしょう。
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