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あなたの英語、会議でこんな風になっていませんか?
海外のメンバーとの英語会議。あなたは自信を持って発言できていますか?
(自信なさげにボソボソと…) 「Ah, my opinion is…」 (誰の耳にも届かず、議論は進んでいく)
(相手の早口な英語に圧倒され、もはや何も言えない…) 「Since there are no further comments, let’s move on to the next topic.」 「…Yes.」 (結局、ただ頷くだけで会議が終わってしまった)
せっかく海外で挑戦するチャンスを得て、内容のある良い意見を持っているのに、「話し方」や「発音」が原因で、あなたの価値が正当に評価されない。
これは、非常にもったいないことです。
しかし、ご安心ください。実は、たった3つのポイントを意識するだけで、あなたの英語の「信頼度」と「影響力」は劇的に変わります。
この記事では、あなたのビジネスキャリアを加速させる「ネイティブに響く英語の話し方」を、具体的なトレーニング方法と共にご紹介します。
なぜあなたの英語は「軽く」聞こえてしまうのか?3つの原因
そもそも、なぜ私たちの英語はネイティブスピーカーに届きにくいのでしょうか。それは、単に文法や単語力の問題だけではありません。根本的な「音」の出し方に原因があります。
原因①:日本語は「響かない声」、英語は「響かせる声」
先日、私が参加した大学の授業での出来事です。留学生が大半を占める中、数少ない日本人学生が発表する場面がありました。内容は非常に興味深いものでしたが、彼らの声はマイクを使っているにもかかわらず、ざわめきの中に埋もれてしまいがちでした。一方で、留学生たちは地声でも驚くほど声が通ります。
これは、日本語が主に口先で発声するのに対し、英語は喉の奥や胸、鼻腔などを共鳴させて「響かせる」言語であるという、根本的な発声法の違いから来ています。どんなに正しい文章を話していても、声が相手に届かなければ、存在しないのと同じになってしまいます。
原因②:声が平坦で、重要な部分が伝わらない
英語には特有のリズムと抑揚(ストレス)があります。しかし、私たちは全ての音を均一の長さと強さで発音してしまう癖があります。
例えば、situation という単語。 日本人は「シ・チュ・エ・ー・ショ・ン」と、全ての音節を同じように発音しがちです。 しかし、ネイティブは si-tu-A-tion のように、「A」の音を最も強く、長く発音します。
この「ストレス」を無視してしまうと、文章全体が平坦になり、どこが重要なのか全く伝わりません。結果として、相手はあなたの話を聞き取るのに多大なエネルギーを強いられ、「分かりにくい」「結局何が言いたいの?」という印象を持たれてしまうのです。
原因③:自信のなさが声と姿勢に表れてしまう
通じない経験が重なると、どうしても声は小さくなり、姿勢も猫背になりがちです。この「自信のなさ」は、たとえ流暢な英語を話したとしても、相手に即座に伝わります。
話の内容以前に、**「この人に任せて大丈夫か?」「この意見は信頼できるのか?」**と、無意識のうちに相手を不安にさせてしまうのです。ビジネスの世界では、これは致命的なディスアドバンテージになりかねません。
今回は、これら3つの不安を払拭し、あなたの意見に説得力を持たせるための具体的なトレーニングをご紹介します。
実践!ネイティブに響く声を作る3つのトレーニング
ここからは、あなたの英語を劇的に変える3つの実践的なトレーニングです。ぜひ、声に出して試してみてください。
トレーニング①:喉の奥から「響く声」を出せ
まず、英語を話すための土台となる「響く声」を手に入れましょう。ポイントは、喉をリラックスさせて開くことです。
ステップ
- あくびをするように、喉の奥を大きく開く感覚を掴みます。
- 息を吸い込み、口蓋の奥の柔らかい部分(ソフトパレット)に息を当てるイメージを持ちます。
- 喉の奥から、リラックスした深いため息をつくように「ハー」と声を出します。
この感覚を掴んだら、実際に単語で練習してみましょう。
実践練習
hah~ hah~ hah~ hot(x3)- It was very hot this summer.
ha~ ha~ ha~ hand(x3)- Add a handful of salt and pepper.
口先ではなく、お腹から喉の奥を通って音が出ているのを感じられれば完璧です。
トレーニング②:ストレスを意識し「リズム」を作れ
次に、単語や文章に力強いリズムを生み出すトレーニングです。ストレスを置く音節は「強く・長く・高く」、それ以外は「弱く・短く・曖昧に」発音するのがコツです。
大文字の部分にストレスを置いて、はっきりと違いを意識しながら発音してみましょう。
実践練習
MA-ma, MA-ma, MA-ma→MAster, MAster, MAster- It’s not easy to master it.
WAH-wa, WAH-wa, WAH-wa→WAH-nted, WAH-nted, WAH-nted- That’s what I wanted to do.
この強弱のリズムが、あなたの英語に生命を吹き込み、相手の耳に重要な情報がダイレクトに届くようになります。
トレーニング③:堂々と話せ!自信は「声」が作る
トレーニング①(響き)と②(リズム)が身につくと、驚くほどあなたの声は変わり、自然と自信に満ちた話し方ができるようになります。
最後に、仕上げとして、自信に満ちたキャラクターになりきって話すトレーニングをしましょう。お手本は、海外ドラマ『SUITS』の伝説の弁護士、ハーヴィー・スペクターです。彼のセリフからは、一切の迷いが感じられません。
下記のセリフを、彼のイメージで、力強く、そして堂々と発音してみてください。(カタカナはあくまで補助的なガイドです)
実践練習 (ハーヴィー・スペクターになりきって)
Harvey: Well, you go back to the witness’s house, /wel, yoo gou bak tu thuh WIT-nes-iz haus/ (いいから、もう一度証人の家に行け)
Harvey: and you get her to testify again. /an ju GEH-der tu TES-ti-fai uh-GEN/ (そして、彼女にもう一度証言させるんだ)
Mike: I tried. There’s no way. /ai TRAID, theirs NOU wei/ (やりましたが、無理です)
Harvey: There’s ALWAYS a way. /theirs AL-weiz uh WEI/ (方法は必ずある)
いかがでしょうか?声の出し方やリズムを変えるだけで、同じ言葉でも全く違う意味を持つように感じませんか?この「堂々とした態度」こそが、ビジネスの交渉や会議において、あなたを有利に導く武器となります。
まとめ:あなたの声は、あなたの価値を証明する
本日お伝えした3つのポイントを、もう一度振り返りましょう。
- 喉の奥から声を出す → これにより、あなたの声が相手に物理的に届くようになります。
- 長い音と短い音をはっきりさせる → これにより、あなたの話の重要なポイントが明確に伝わります。
- 堂々と話す → ①と②の実践が、揺るぎない自信を生み出します。自信が見えないところに、チャンスは訪れません。
それでは、冒頭のシーンを、この3つのポイントを実践してもう一度演じてみましょう。
Before: (自信なさげに、平坦な声で)
“My opinion is…”
After: (喉の奥から響かせ、”pi”と”is”にストレスを置いて、堂々と)
“My opinion is“
いかがでしょうか?話している内容は全く同じでも、後者の方が圧倒的に説得力があり、信頼できるように聞こえませんか?
これが、「ネイティブに響く話し方」の力です。
今日から始まるあなたの英語は、もう誰にも「舐められる」ことはありません。トレーニングを続ければ、次回の英語会議では、あなたの意見が議論の中心になっているはずです。あなたのビジネスキャリアが、この「声」のトレーニングによって、さらに輝かしいものになることを心から願っています。
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