日本語と英語の発声の主な違い
第1回〜第3回のセッションで検証してきた通り日本語と英語の発声の違いは、1.発声のエリア、2.音の共鳴度合、3.ブレスの使い方、4.センテンスでの音のつながり方、という点で大きく異なっています。
1.発声のエリア
英語の発声のエリアは日本語に比べて喉側で、口腔内の空間も大きくして、音が低くよく響きます。
2.音の共鳴度合
声帯のテンションを緩めることでもまた、全体的に音が低く響き、アクセントを置いた後に脱力することによってさらに声帯も脱力してバイブレーションが起こりやすくなり、ボトムエリアで喉の下の方でカラカラという音がします。
3.ブレスの使い方
英語は日本語と異なり舌、唇、鼻、歯のポジションのセッティングにブレスを絡める子音だけの発声が存在するため、それらのポジションを正確にセッティングすることとそこにしっかりブレスを絡めていくことがとても重要です。
4.センテンスでの音のつながり方
さらに単語単位の発音だけでなく、それらが繋がって文章となった時に、前の単語の末尾の子音と次の単語の先頭の母音がリエゾンして、シラブルの初めがほぼ子音になり、その子音を綺麗に揃えていくことで、流れもスムーズになります。
発声の改善が英語発音矯正に及ぼす影響について
英語の発音に限らず何か自分の習得した技術を矯正する場合には、やみくもに反復練習をするよりも、自分が改善しなければならない点を言語化して認識することと、どういう状態が理想なのかというゴールイメージを明確にすることが効率的な習得に結びつくと思います。
その改善点と到達点との2点が自分の中で明らかになった上で自分の技術がそのはざまにある時に反復練習は大きく効果を上げるのではないかと思います。
上記1-4のように、まずは人体における発声のしくみそのものを知り、英語と日本語の発声の違いを理解し、「理解したこと」「理解したけどまだ上手くできないこと」「できるようになたこと」を分類しながら反復練習で発声を改善していき、発音矯正のための第1段階である英語らしい響きを習得します。
そして、その発声を踏まえた上で、子音の輪郭をはっきりさせたり、リズムや流れに乗せるなどの第2段階の技術習得していくという順を追ったトレーニングが発音矯正の効率的な習得に結びついていくと思います。
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