英語の特徴の一つとして「音がつながる」というものがあります。これはWord groupと呼ばれる意味のかたまり単位に発音されるために起こることですが、この音のつながりをリンキングと呼び、隣接した単語がリンキングを起こすことで音が変化したりします。
リンキングはどのような条件のもとに起こるのか?
単語を一つ一つ発音してそのたびに喉を閉じていると、リンキングは起きない。息の流れを止めずにフレーズ全体を発音した場合に自然にリンキングが起きる。
子音の次に母音があるときは必ずリンキングしなくてはならないのか?
例えば、That’s okayの場合は/ts/の後に/oh/の母音が来ますが、この母音はストレスを置かない弱い音であるために音が自然とつながりリンキングするのが普通です。
しかし、That’s oddの様に/ts/の後にストレスを置いた母音が来る場合は、oddを強調させるためにわざと音を切ったりもします。
なので必ずしもリンキングしなくてはいけないということではなく、流れるように発音すると自然とつながるということです。
Flap T、Stop TといったT音の変化はなぜ起こるのか?
Stop Tについて
フレーズ内にある「t」の音をすべて「t」として発音してしまうと(「放つ子音」にしてしまうと)そこで音がせき止められてしまう。そこで、音を滑らかにつないでフレーズ全体をひとまとまりで発音できるよう、「t」の音を発音しないときがある。
ただし、舌は必ず「t」のポジションに行っており、こうした舌の動きが省略されるわけではない。
<参考動画>
Flap Tについて
Flap Tは、母音に挟まれた「t」の音が、同じポジションの有声音である「d」または「l」または「n」のように発音されることを言う(ただし舌のポジションは「t」のままであり、本当の「d」や「l」とは異なる)。
フレーズがゆっくり発音されるときは比較的強い「d」になり、早く発音されるときは柔らかい「l」になる傾向がある。どちらの発音になるかは、固定されているわけではなく、自然な流れで決まる。
Want toが「wanna」になるのは、「n」のポジションと「t」のポジションが同じであり、「to」にストレスが置かれず軽い「tuh」の発音になるため。これにより「t」の音が消えて「wanna」となる。
(アメリカ英語は比較的Flap Tを多く使う傾向がある。イギリス英語は声を出しながらTを発音する傾向がある)
<参考動画>
Stop Tは、単語の最後の「t」や、「t」の直後に子音が来るときに発生する。こちらも舌は「t」のポジションに行くが、音を弾かない。そのため、音が消えて一瞬の空白ができたように聞こえる。
しかし音は出ていなくても、舌は「t」のポジションに来ており、「t」の音が省略されたわけではない。発音されることだけが発音ではない。発音されない(消える)ことも発音のうちである。これは日本語と大きく違っている。
Move inの場合は、本来は強く発音されない「v」の音(消える子音)が、リンキングすることで前面に出てくる(放つ子音となる)。
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