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第2言語習得論
私は留学した際にTESOLという英語教授法を先行していたのですが、その中の科目の一つに第2言語取得(Second language acquisition)がありました。
これは科学的に第2言語が習得されるプロセスを理解して、それを応用して効果的に教えましょう、「効率よく第2言語を習得しましょう」という学問です。
今回はこれを元に、なぜリスニングができないのか、どうすればリスニングはよくなって行くのかということについて簡単に話していきたいと思います。
リスニング時の脳のプロセス
まずリスニングをしている時に脳ではどのようなプロセスになっているかみていきましょう。ざっくり説明するとこんな感じになっています。
「発話をきく→音を知覚する→内容を理解する」
例えば、What are you gonna do tonight? と聞いた際に、まずは「whadayugonnadotonight」と音声情報を知覚し、その後「今夜何するの?」っていう意味だなと理解することを一瞬のうちにしています。
音を知らないと聞き取れない
しかしこのときにgoing toがgonaになるとかを知らないと、そもそもなんと言ったのかも音声を知覚できずに理解することができません。雑音にしか聞こえない状態ですね。
ところがセンテンスを見ると中学校でならうレベルの文章であることがわかるとように、発音を知らないだけで簡単なレベルのセンテンスも理解することができません。
ただこのセンテンスはこうやって発音するんだ、と知った今は次同じセンテンスを聞けば問題なくわかると思います。
音声情報としてのインプットが必要
ここでなにを伝えたいかというと、英語を音声情報としてのインプットが入っているかどうかがリスニング力には必要不可欠な知識になります。
音としてのインプットがない状態をイメージにするとこんな感じになります。
脳を100使えるとして、音を知覚しようとするためにほとんどの力を使ってしまっています。この状態はすごく疲れますし、意味を理解することに意識を割けないので結局理解できない、英語早すぎ、難しすぎ、という状態になってしまいます。
日本語の音の認知について
第一言語で日本語ではいかがですか?私が今色々話していますが、どんな音かということは全然意識しなくても何を言っているのかの意味を理解することにフォーカスできますよね。
リスニング力をあげるためには、いかにこの音を知覚する力を負荷を下げて、意味を理解することにより脳を使えるかがポイントになります。
シラブル発音から始めてリズムを作る
最近はDr.Dがシラブル発音から始めてリズムを作ることでドラマの早い英語も聞き取れるようになった、と体感されたかたも今視聴されている方にも多いのではないでしょうか。
シラブルごとに音を確認して、音がどうリンクするのか、どのような強弱になっているのかを練習してことで音としてのインプットが入り、最終的には聞こえるようになったかと思います。
音は聞こえても理解がついていかないケース
ただ音は聞こえるようになっけど意味は理解できなかった、というかたもいるのではないでしょうか?どんな状態かみてみましょう。
音をキャッチする負荷はかなりさがり音は聞こえる、という状態にはなったんですが、単語を知らない、文法的にわからない、などの知識不足があると意味はわかりません。
リスニングは音認識力とボキャブラリー力
なのでリスニング力というのは音をキャッチする能力と、単語力、意味を発話スピードで理解するスピードなどの総合スキルになります。
それではここでネイティブの発音を聞いてリスニング力を自己分析してみましょう。TEDトークからの一文を流すので聞いてみてください。(動画参照)
今何もわからなかった方は今から発音してみましょう。正しい発音を練習してインプットできると聞こえ方が変わるはずです。
練習した状態でまた先ほどの文章を聞いてみましょう。先ほどに比べてクリアに聞こえたのではないでしょうか?
音声情報としてのインプットを増やそう
今回の内容をまとめると、リスニングが苦手な方は英語を音声情報としてのインプットが足りません。なので発音を練習して、ネイティブと同じように発音することができると正しい音声情報がたくさんインプットされます。
そして音声情報を理解することがどんどん楽になっていくため、体感としても「聞こえる!」という感覚になっていきます。
リスニングで困っている方はぜひ発音を練習することをおすすめします。
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