発音矯正に要する時間 どのくらいの期間で発音は良くなるのか

前回の記事で、一般的に英語発音矯正は「ネイティブのような発音」を目指すのではなく、「コミュニケーションがスムーズになりたつレベル」を目指すべきだということについて述べました。

理由は日本語が第一言語の人がネイティブレベルに到達することは、ほぼあり得ないからです。それよりも「英語でのコミュニケーションの障害を解決する」という目的で行うほうが意味があるからです。

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そしたらその「コミュニケーションがスムーズになりたつレベル」に一般的な日本人が到達するには「どの位の期間を要するか」ですが、いままでの指導経験を元に少し説明してみたいと思います。

発音矯正に要する平均時間

元々「コミュニケーションに差し支える発音レベル」の受講者の方の中で、割りと早いケースでレッスンを20回弱を3ヶ月間行ったくらいで、そのレベルに到達しました。素直にレッスンを吸収していけた場合だいたいこのくらいで英語発音の感覚が身につきます。

そして一度その「発音の感覚」が身につくと、英語がもっと自然に聞き取れ、それを容易にリピートする事が出来るようになります。これが英語発音を上達させる上で最も大きな利益だと思います。発音矯正後は、それまでの何倍ものスピードで成長できます。

しかしどちらかと言えばベッタリとカタカナ発音が染み付いている人のほうが多く、更にそれでTOEIC900点以上の知識があるような人の場合、ちょっと矯正には時間がかかります。発音に関して間違ったことを長く続けていると、それだけ矯正には時間がかかるわけです。

どちらかと言えば、あまり英語を勉強してこなかった人のほうが、そのクセも薄いため発音矯正はやりやすかったりもします。

しかし大体どの様な方でも40回(6ヶ月)くらいやれば大体のコツは掴むことが出来ます。もちろんたった半年やそこらで完璧な発音になるわけではありませんが、その「発音の感覚」が身につくと、耳が良くなるので、あとは自分で聞いたとおりに発音できるようになっていきます。そして発音力はその後も成長し続けます。

発音上達に英語力は関係ない

発音に関しては元々の英語力はあまり左右しません。先ほど述べたとおり「カタカナ発音が染み付いた上級者」よりも「クセが付く前の初級者」の方が発音矯正自体は楽なのです。

しかし発音矯正後は、上級者のほうが成長率は高くなります。英語は覚えれば覚えるほど成長スピードが上がります。たぶんTOEICレベルで700に到達するまでが耐えどころでしょう。それを超え、スムーズに発音できると成長スピードは一気に加速します!

初級者がTOEIC700レベルに到達するには毎日英語の練習しても最低1年以上を要し、結構たいへんなんですが、発音がスムーズにいくと、比較的スムーズに成長することが出来ます。

なので発音矯正を行うタイミングは早ければ早いほど効果的なのです。まずは簡単な挨拶程度のフレーズをスラスラと言える様になりたいものです。そうすると後が本当に楽です。

発音矯正は長くて半年

僕のレッスンでは一通り発音プログラムを終えた方がそれ以上学びたい場合、スピーキングのトレーニングに移っていきます。内容としてはレッスンの1/4から半分を発音基礎トレーニングに費やし、あとは実践的なインプット→アウトプットを行います。例えば、こちらが話した内容をフレーズごとにリピートしてもらい、パラグラフごとにリピートしたフレーズを使って内容を再現したりします。

そして発音力はこのバランスの良いインプット→アウトプットで自然と伸びていきます。もちろんそれでスピーキング力もリスニング力も身に付きます。総合的にコミュニケーション力もつきます。

ですので一般的には1年以上など長期にわたって発音トレーニングだけを行うことはありません。一度発音の感覚が身につくと、スピーキングを通じて自然と成長できるからです。

スクールによっては母音や子音、また全てのリエゾンのパターンなどを虱潰しに行い、矯正に数年かけたりするプログラムも多く存在しますが、僕としてはそこまでは必要ないと感じています。またそれらは非効率だと思っています。

母音だとFront Vowels(ee/e/a)、Back Vowels(o/aw/oo)、Central Vowels(uh/ur/er)がそれぞれ発音でき、子音だとアルファベットが全て発音できればそれで十分です。あとは発声がきちんと出来れいれば応用が効きます。リエゾンに関しても「この様に声を出すから自然とつながった」という風に習得してもらいたいわけです。

発音矯正だけを1年以上続けるのはプロだけ

しかし、人によっては発音矯正のみを1年以上続けていらっしゃる方もおられます。それは一般的にはあまりオススメしませんが、そういう方はプロの方です。プロの英語講師、発音講師、ボイストレーナー、プレゼンター、俳優業の方達です。

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そういう方は声の調子を診断し、定期的に調整することが必要だからです。プロのシンガーもほとんどがボイストレーニングを何十年も受け続けていらっしゃいます。特にツアーやレコーディングになると集中的に声を酷使するため、声の調整が絶対不可欠なのです。

結果は絶対に出る!

英語発音をコミュニケーションの円滑化を図るために矯正したい方は、まず10〜20回のレッスンと毎日の練習を欠かさず行い、発声とリズムの感覚をしっかり身に付けましょう!継続的な努力は絶対に結果として現れます。

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About Dr.D 593 Articles
ドクターDイングリッシュの創立者。元プロミュージシャンで英語ボイトレ講師を経て2011年に発音スクール設立。YouTuber歴10年以上。趣味はカヤックフィッシングで平均週3で魚釣りをしている。日本の英語教育に発音指導を普及させるミッションを掲げ邁進中。