前回、英語声の特徴について話しましたが、今日は私の大学時代のちょっとした研究について書きたいと思います。
目次
大学での発音研究
大学在学時から発音にすごく興味がありTESOL(英語教授法)を勉強する傍ら、教授のもとで研究をする機会がありました。
そこで普段から気になっていたことを調べてみようと思い、ノンネイティブが第一言語を話すときと英語を話すときで声質がぜんぜん違うこについて調べることにしました。そこで、ひとまず声の高さの変化について調べました。
言語による声のピッチについて
声の高さについてはいろいろな研究がすでになされています。例えば、日本語話者とスペイン語話者は英語話者よりも全体的な声の高さが高いという研究結果が出ていたり、日本語と英語のバイリンガルでは日本語の声の方が声が高いという研究結果が出ていたりします。
私の研究では大学にいる日本人と韓国人の男女を4年生と1年生から3人づつ、計24人のデータを集め第一言語(日本語、韓国語)と英語ではどれくらい声の高さが変わるのかということを調べました。
調べ方は協力してもらった学生に個人的にインタビューして日本語/韓国語と英語で話してもらったものを録音して、平均の声の高さを出して比べてみました。その結果がこんな感じです。
日本人男性が英語を話した時の声の高さ
日本人女性が英語を話した時の声の高さ
韓国人男性が英語を話した時の声の高さ
韓国人女性が英語を話した時の声の高さ
青色のバーがどれくらい声の高さが(pitch)が変わったかを表しています(英語時のpitch-第一言語時のpitch=バーの数値Hz)。
+(バーが上に上がっている)は英語のとき日本語/韓国語の方が声が高くなっていて、-(バーが下に下がっている)は英語のとき声が低くなっています。
ちなみに10Hz はだいたいピアノではひとつとなりの音との差くらいです(ド→レ)。ですので人によっては声の高さがファ→ドまで下がっている人がいる計算になります。
まとめると
全体的な結果として英語時のpitchが下がっている人が多いです。とくに4年生(Senior)の方が声の変化が大きかったです。ちなみに今回協力してくれた4年生はみんな発音がとても上手でした。
英語を話し出したとたん声が英語モードに変わって英語声で話していました。1年生(freshman)はまだ留学生活が始まって6ヶ月未満の学生たちだったので、理解できる発音でしたがまだ英語の雰囲気が声にあらわれていないかな?という感じでした。
英語声の特徴のひとつである声のpitchですが、英語と日本語でどれくらい変わるか感じてもらえたでしょうか?
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